手作りフードや手作りのトッピングをされている飼い主さんの中には、トマトをレシピの一つに加えたいけれど、あげてもいいのか不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
トマトは、犬に食べさせても良い食材ですが、与え方にはいくつか注意点があります。
与えて良い量や与え方について解説していきますので、ワンちゃんにトマトを与えたいとお考えの飼い主さんは、是非最後までご覧ください。
トマトを与えるメリット
ワンちゃんにトマトを与えるとどんなメリットがあるのでしょうか?
トマトに豊富に含まれる栄養素に着目し、栄養面から解説していきます。
リコピン
強力な抗酸化作用をもつリコピンは、トマトに含まれる栄養素として有名です。
活性酸素を除去するはたらきがあり、皮膚や血管の健康維持に役立つと言われています。
リコピンは熱に強く、脂溶性の成分です。
油を使って加熱調理することで、体に吸収されやすくなることが知られています。
β-カロテン
犬は、β-カロテンを体内でビタミンAに変換することができる動物ですので、トマトのβ-カロテンを有効に利用することができます。
ビタミンAは、皮膚や粘膜を健康に保ち、感染症から体を守ってくれます。
脂質と一緒に摂ることで吸収率が高まることが知られているため、少量の油で炒めたり、肉と一緒に与えたりするのがおすすめです。
ビタミンE
ビタミンEは、若返りビタミンとも呼ばれ、細胞や体内の脂質の酸化を防ぎ、老化を抑制する作用があります。
ビタミンEは、抗酸化作用のある成分の一つですが、それ故に酸化されやすい成分ということでもあります。
ビタミンE自体が酸化してしまうと抗酸化作用が得られなくなってしまうため、トマトは、できるだけ新鮮なものを選びましょう。
ビタミンC
ビタミンCは、犬では体内で合成が出来るため、必須のビタミンではありません。
しかしながら、ストレスなどで消費されやすいため、健康維持のためには、毎日一定量を摂取した方が良いと言われています。
人間では化粧品やサプリメントでよく配合され、お肌をきれいに保つのに大切なビタミンCですが、皮膚以外にも粘膜の健康維持など体にとって重要なはたらきをしています。
ワンちゃんの皮膚の健康を保つことはもちろん、免疫力を高めるのに重要なビタミンです。
トマトに多く含まれるβ-カロテン、ビタミンEと一緒に摂取することで、抗酸化作用が高まり、より体の中で効果的にはたらくと言われています。
トマトを犬に与えるときのポイント
トマトはワンちゃんが食べても良い食材の一つですが、与え方や与える部位によっては、注意が必要です。
生、加熱どちらもオッケー
調理方法については、生でも加熱しても構いません。
加熱する場合は、ほかの野菜や肉と一緒にスープにすると栄養を余すことなく摂れるのでおすすめです!
花・茎・葉・未熟な実に注意!
完熟したトマトは、犬に与えて問題ありませんが、花や茎、ヘタ、未熟な実には注意が必要です。
トマトは、茎や葉にトマチンという毒素を含んでいます。これは、自らを害虫から守るためと言われています。
マウスでのデータから、人間では、未熟なトマト3.4kg程度でようやく半致死量と推定されており、中毒の心配はありませんが、体重の軽い犬では食中毒を起こす危険があります。
ミニトマト・プチトマトは必ず切って与える
ミニトマト(プチトマト)は、丸呑みすると窒息の原因になります。
必ず細かく切って与えましょう。
加工品はNG
トマトジュースなどの加工品には塩分が添加されているものがあります。
また、ケチャップやスープには犬に与えると中毒を起こす玉ねぎを含むものも多いです。
そのため、こうした加工品は与えないようにしましょう。
ドライトマトやトマトピューレはどうでしょうか?
これらの中には、トマトのみを使い、調味料が入っていないものもあります。
そうしたものは、成分的には犬に与えて構いませんが、トマトの成分が濃縮されているため、ミネラル摂取量が多くなりがちになりますので、常用するのは避けましょう。
犬に与えて良いトマトの量は?
トマトは、サラダなどに入っている、「大きめのくし形」に切ったもので、20g約4kcalとカロリーの低い食材です。
しかし、低カロリーだからと言って、大量に与えてしまうと水分や食物繊維の摂り過ぎで下痢をしてしまうことがあります。
フード以外の食材については、「食事全体のカロリーの1~2割を目安に与えましょう」とお伝えすることが多いですが、トマトの場合は、「カロリー」ではなく、「量」を目安に考えるのが良いでしょう。
始めてあげる場合は、まずは加熱したものを食事量の1割程度を目安に与えるのが良いと思います。
皮は与えて問題ありませんが、消化できずそのまま便に出てくることが多いです。
私の経験ですが、「血便が出た」と言われてウンチを調べたら、トマトの皮だったということもありました。
血便と間違えないためにも、お腹の調子を崩しやすい子は、湯むきして与えると安心です。
少量与え、体調に問題がなければ、ワンちゃんの食欲や便の状態に合わせて徐々に増量してみましょう。
お腹に問題がなければ、生のトマトを取り入れるのも良いと思います。
はじめて生で与える場合には、加熱したときと同様に皮をむき、加熱して与える量の半分程度を目安に細かく刻んであげましょう。
トマトなどの野菜を与える際に栄養バランスが気になりませんか?
そんなときは、トッピングに栄養バランスの整った手作りごはんを与えるのもおすすめです!
今話題の手作りごはん「フレッシュフード」についてはこちらの記事でまとめていますので是非参考にしてください。
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まとめ
「トマトが大好き!」というワンちゃんは少ないかもしれません。
しかし、色々な野菜をトッピングとして取り入れることで、様々な栄養を摂ることができます。
野菜をトッピングしている飼い主さんは、今日からトマトも食材の一つとして加えてみてください。