愛犬の食事管理を熱心にされている飼い主さんの中には、ドッグフードの成分を比較して検討されている方も多いですよね。
そんな飼い主さんから、こんなご相談をいただくことがあります。
「ウェットフードの成分の見方がよく分かりません」
「ウェットフードって、ドライフードに比べて、脂質の割合が少ないのでしょうか?」
今回はそんな疑問に解消するために、ドライフードとウェットフードの成分を比較する方法、乾物換算について解説します。
これを見れば、ドライフードもウェットフードの正しい成分の比較ができるようになるでしょう。
ドライとウェットのどっちが脂質が多い?
いきなりですが、以下のドライフードとウェットフード、同じカロリーを摂ったとして、どちらが脂質の多いフードだと思いますか?
パッケージ裏面の保証成分値を見ていると思ってお答えください。
ドライフード:脂質14%、水分10%
ウェットフード:脂質4%、水分80%
答えは、ウェットフードです。
脂質の数字だけ見ると、ウェットフードの方が少なく見えますが、保証成分値は、水分を含む値です。
ウェットフードの方が水分量は多いので、「薄められたような状態」ということです。
ここから、水分を抜いて、カラカラにし、比べられるようにしたのが、乾物量(DM)です。
乾物量を実際に計算してみよう!
乾物量は、次の計算式で求められます。
乾物量=成分保証(%)/100 - 水分量(%)
これに、先ほどのドライフードとウェットフードの脂質と水分量を当てはめて計算すると、
ドライフードは15.6% ウェットフードは20.0%
ウェットフードの方が脂質含有率が高いことが分かります。
栄養成分の比較はだいたいの目安
乾物量の計算方法が分かったので、「フードを選ぶときには徹底的に比較をしないと!」と思われた方もいるかもしれません。
しかし、栄養成分については、だいたいで大丈夫です。
「乾物量の計算までさせておいて、だいたいで大丈夫なんて、どういうつもりだ!」と怒られそうですが、それには、こんな理由があります。
栄養の吸収率が原材料によって異なる
ドッグフードの主な原材料は、肉や魚などの動物性タンパク質とコーングルテンや大豆など植物性タンパク質があります。
消化・吸収率が良いのは、動物性タンパク質ですので、タンパク質の含有率が同じでも、動物性タンパク質の量が多い方が吸収されやすいということになります。
ですので、可能であれば、動物性タンパク質の量が多いものを選び、その中で栄養成分を見比べてみるのが良いでしょう。
体質に合う方が大事!
いくら栄養成分値が理想的でも合わないフードを与えるくらいなら、多少理想値から外れていても、体に合うものを選ぶべきです。
アレルギーがある場合には、アレルゲンを摂取しないことが最優先となります。
栄養成分については、あくまで目安とし、便の状態など体調を見て選びましょう。
好みの味かどうかが大事!
いくら成分値が素晴らしいフードでも、好みに合わず、食べてくれなければ意味がありません。
また、嫌々食べているようでは、生活の質が下がってしまいます。
成分は参考程度に、好みに合うフードの中で、成分が良いと思うものを選んであげましょう。
ドッグフードを徹底調査したまとめ記事はコチラになります。
フードに迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
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まとめ
ドライフードとウェットフードという水分量の違うフードの成分を比較したいときには、乾物量(DM)に直して計算すると正しく比較できます。
タンパク質や脂質の量が気になったり、脂質を制限する必要があるけれど、療法食を食べてくれなかったりと成分を比較する必要がある場合には、是非計算してフードを選んでみてください。
ただし、栄養成分の比較は、食べてくれて、体調が良いという大前提が成り立ってこそ役立つものです。
目の前のワンちゃんの食べている姿や便の状態、体調をよく見ながら、参考程度に使ってくださいね。