目の周りの毛が茶色っぽく変色する涙やけ、気になっていませんか?
涙焼けのご相談の中でよく聞かれるのが、「フードを変えた方が良いでしょうか?」というものです。結論からお話すると、食事療法で改善するケースもまったくないわけではありませんが、かなり稀なケースです。
コチラの記事では、そもそも涙やけは何故起こるのか?どのようなことに注意すればよいのか?について解説していきます。
正しい知識を身につければ、わんちゃんの目の周りが涙であふれてしまうようなら早めに獣医さんに相談しましょう。
なぜ涙焼けが起こるのか?
そもそも涙やとは
涙やけは、涙でぬれた目の周りの毛が赤茶色に変色してしまうことを言います。本来、涙の色は無色透明ですが、毛についた状態のまま放置することで時間とともに変色します。そのため、とくに白系の犬で目立ちます。
なぜ涙やけが起こるのか?
涙焼けは、涙の量が多く目の周りがいつも濡れていることによって起こります。ただし、濡れているだけでは色は着きません。目の周りの濡れた部分に雑菌が繁殖し、涙の成分を分解することによって、ピンク色や茶色っぽい色が付くのです。
涙が増える原因は3つある
では、本来眼の中に留まって外に出ないはずの涙がどうしていつも溢れ出てしまうのでしょうか?主な原因として、次の3つが考えられます。
①涙の量が多い
異物やまつ毛が目に入ったことによる刺激、目の病気、環境物質などのアレルギーにより涙が増えていることがあります。
食物アレルギーや添加物に対する反応で目に炎症が起きることで涙が増えることもあり、こうした場合には、フードを変えることで改善するケースもあります。
②涙の排泄ができない
通常、涙は一定の量が常に産生されていますが、同時に鼻涙管と呼ばれる管を通って鼻から排泄されます。
この鼻涙管の構造に先天的な問題があったり、炎症などにより鼻涙管が狭くなっていたりすると、涙がうまく排泄できずに溢れてしまいます。
③涙を眼に留めておくことができない
涙の役割は、眼を保護し栄養を与えるものです。眼にとって大切な涙がすぐに蒸発したり、流れて行ってしまったりしないよう、涙の成分には微量ですが油が含まれています。
この油は、瞼の中にあるマイボーム腺から分泌されますが、この分泌が体質や病気などでうまくいかないと涙が眼にとどまることが出来ず、すぐに流れて行ってしまいます。ドライアイと呼ばれる状態です。すると、眼が乾燥し、それが刺激となって涙が増え溢れてしまいます。
涙焼けは何が問題?
涙焼けは見た目の問題もありますが、それよりも心配なのが、眼の病気が隠れている可能性があるということです。
また、涙焼けを放置することにより、涙で濡れた部分が皮膚炎を起こしてしまうこともあります。
涙やけになりやすい犬種とは?
トイ・プードル
トイプードルは、生まれつき鼻涙管が狭かったり、変形している子が多くいます。また、涙点が開いていないという子も比較的多くみられます。
そのため、涙があふれやすく涙やけになりやすい犬種となります。
チワワ
チワワを含む短頭種は、目が大きく外に張り出しています。そのため、涙を目にとどめにく涙があふれやすかったり、目を傷つけやすく涙が増えたりすることがあり、涙やけになりやすい犬種です。
パグ
パグは短頭種としての特徴だけでなく、目の周りの皮膚にたるみが多く、眼瞼内反症による涙やけを起こしやすい犬種です。
涙やけの予防
涙焼けを予防するためには、「眼の周りが涙で濡れている時間をなるべく少なくすること」と「涙が溢れないようにすること」がポイントです。
眼に毛が入って刺激となることがないようこまめに切りましょう。また、体質的に涙が多い場合には、こまめにふき取ることも大切です。専用のローションなどを使用するのも良いでしょう。
涙やけの対象法
涙やけ気を付けていても、生まれつきの目の構造などの場合は、なかなか予防が難しいです。
インターネット上では様々な対処法が書かれており、相談にこられる飼い主の中にも「涙焼けが気になるから、まずはフードを変えよう!」と思われる方が非常に多いです。
しかし、上述のように、涙焼けの原因は様々であり、フードが原因であることは少ないと思って良いでしょう。
また、○○をすれば涙やけが治るという方法は残念ながらありません。
まずは、眼の病気が隠れていないかチェックするために動物病院を受診してください。涙が増える原因によっては、点眼による治療や外科的な処置が必要なこともあります。
フードを変える場合は
病院を受診した上で、食事の変更を検討する場合には、アレルギーの可能性を考慮して、今まで与えたことのない動物性タンパク源を選ぶのがおすすめです。
ただし、新しい原材料が体に合わない可能性もあるため、切り替えるときは慎重に少量混ぜて体調の変化がないか確認してください。
また、便の状態や食いつきが悪いものは、いくら良い原材料を使用していたとしても、生活の質を低下させてしまいます。涙焼け対策よりも、全身の状態とよく食べることを優先しましょう。
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涙焼けが改善のチェックポイント
涙焼けが改善されたかどうかは、毛の根本の色を見ます。また。涙やけ治療を行っても、すぐに改善されるものではありません。
フードやローションの場合は、1ヶ月くらい使用することで、ようやく改善されたかどうかが分かります。
まとめ
涙焼けは様々な理由により引き起こされます。フード選びだけでは解決しないことも少なくありません。
まずは、動物病院を受診し、原因を見つけることが大切です。その上で、焦らず一つ一つ改善策を試していきましょう。