キャベツは年間を通して手に入るため、ワンちゃんのごはんのトッピングに使っている飼い主さんも多いのではないでしょうか?
そんなキャベツですが、「何となくトッピングしているけれど、どれくらい与えてもいいの?」「生で与えて大丈夫?」など、量や与え方が気になるという声もよく耳にします。
今回は、犬にキャベツの与えるときの量や与え方について解説していきます。
持病を持つワンちゃんにキャベツを与えて良いかどうかも病気ごとに解説しますので、是非最後までご覧ください。
キャベツは犬の体にいいの?
キャベツには、ワンちゃんの体に必要な栄養素が含まれています。
キャベツにはどんな栄養素が多いのでしょうか?ワンちゃんにキャベツを与えるメリットと合わせて見ていきましょう。
食物繊維
食物繊維には不溶性繊維と水溶性食物繊維の2種類があります。不溶性繊維は、便の嵩を増やし、腸の蠕動運動を促進するはたらきがあります。一方の水溶性食物繊維は、便に水を含ませることで便の排泄をスムーズにします。
キャベツは、この不溶性繊維と水溶性食物繊維のバランスが良く、腸内環境を改善するのに役立ちます。
ビタミンK
ビタミンKは、血液の凝固因子として大切な役割を担っている栄養素です。
キャベツはビタミンKも豊富ですが、野菜や魚、卵黄など様々な食材に含まれており、総合栄養食のフードを与えていれば足りなくなる可能性はほとんどありません。
ただし、抗生物質を投与している場合などは注意が必要です。ビタミンの合成が抑制されてしまうことがあり、欠乏症を引き起こすことがあるので、そういった場合にはドックフード以外の食事からの接種は効果があるでしょう。
ビタミンC
ビタミンCは、犬では体内で合成が出来るため、必須のビタミンではありませんが、水溶性で消費されやすいため、健康維持のためには、毎日一定量を摂取することが推奨されています。
人間では、お肌に良いとされるビタミンCですが、ワンちゃんも同じで、皮膚の健康維持に役立ちます。また、粘膜の健康や腸での鉄・カルシウムなどのミネラル吸収に関与することから、免疫力を高めるためにも重要なビタミンと言われています。
葉酸
キャベツは葉酸も豊富に含んでいます。
葉酸は、造血にかかわる重要な栄養素ですが、フードの加工段階で分解されやすい不安定な栄養素なので、総合栄養食のドッグフードの場合、葉酸が製造過程で添加されます。
過剰症の報告はなく、安全性が高い栄養素のため、毎日、充分な量を摂取するのが良いとされています。
ビタミンU
ビタミンUは、キャベツから発見されたビタミンの一種で、別名キャベジンと言います。
胃の粘膜を修復する際のタンパク質合成に役立ち、胸やけに有効と言われています。
犬にキャベツを与えるときのポイント
ワンちゃんに必要な栄養素を含むキャベツですが、与える際には、いくつか押さえておくべきことがあります。
子犬に与えるのは離乳食が終わってから
子犬は、水分量や食物繊維の量のちょっとした変化で下痢をしてしまうことがあります。
お腹の調子を崩すと体力の消耗に繋がるため、離乳食が終わるまでは、子犬にキャベツを与えるのはやめましょう。
子犬の食ふん改善にキャベツは有効?
子犬の食ふんにキャベツが有効との情報があり、食ふんの改善を期待してキャベツを与えている飼い主さんもいらっしゃいます。
食ふんの理由は様々ですが、原因の一つに消化不良があげられます。
科学的に証明されてはいないものの、キャベツのビタミンや食物繊維によって腸内環境が改善され、食ふんの改善に繋がることがあるようです。
しかしながら、すべてのワンちゃんに有効なわけではなく、キャベツの与え過ぎは消化不良になります。
試す際は、離乳食を卒業してから、まずは一口与えて体調に変化がないことを確認してください。便が緩くなってしまう場合は食ふんへの効果も期待できません。
その場合は、無理にキャベツを与えるのはやめましょう。
生で与えるときは細かく刻む
生のキャベツは、茹でるより、ビタミンUやビタミンCの含有量が多いものの、大きいと消化しにくいという欠点があります。
細かく刻んで与えることで、消化しやすくなり、ビタミンの吸収もしやすくなります。
芯は茹でて与える
芯は周辺にビタミンCが豊富に含まれているため、捨てずに活用したいところです。
ただ、硬くて消化しにくいため、与える際には茹でて、細かく切って与えるようにしましょう。
犬に与えていいキャベツの量
ダイエットの嵩増しにも使えるキャベツは、10gで約2kcal、とんかつ定食で盛り付けてある200g程度の量を摂ったとしても、40kcalと非常にカロリーの低い食材です。
しかし、低カロリーだからと言って、大量に与えてしまうと食物繊維の摂り過ぎで下痢をしてしまうこともあるため、量には注意が必要です。
フード以外の食材を与えるときに、「食事全体のカロリーの1~2割を目安に与えましょう」とお伝えすることが多いですが、キャベツは、「カロリー」ではなく、「量」を目安に考えましょう。
まずは、茹でたものを食事量の1割程度を目安に与えるのが良いと思います。
それで体調に問題がなければ、ワンちゃんの食欲や便の状態に合わせて徐々に増量します。
生で与える場合には、はじめは、茹でて与える量の半分程度を目安に細かく刻んであげましょう。
栄養バランスを気にする場合は?
キャベツなどの野菜を与える場合に栄養バランスを気にされる方も多いのではないでしょうか?
そういった場合は、栄養バランスの整った手作りドッグフードをトッピングとして与えるのも良いでしょう。
わんちゃんの手作りごはんに関しては以下の記事で詳しく解説しているのでよかったら参考にしてみてください。
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参考【獣医が選ぶ】犬におすすめの手作りごはん-フレッシュフード-7選!
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持病を持つ犬にキャベツを与えて大丈夫?
持病がある場合、食事の成分を制限しなければならないこともあり、キャベツを与えて良いのか不安に思う飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
ここでは、病気ごとにキャベツを与えて良いかどうかお話していきます。
腎臓病
腎臓に配慮が必要な栄養素としては、タンパク質、リン、ナトリウムがありますが、トッピング程度のキャベツの量であれば、これらの栄養素は微量のため、特に気にする必要はありません。
ただし、ワンちゃんの食欲が落ちてしまい、充分なカロリーが摂れていない場合には、キャベツを摂ることで嵩が増えてしまい、カロリー不足になってしまうことが考えられます。
食欲がないワンちゃんはカロリーを摂ることを優先し、体質的に便秘で食物繊維が必要な場合などを除き、キャベツは避けた方が良いでしょう。
糖尿病
ワンちゃんの糖尿病は、インスリンで血糖値をコントロールする必要があることも多いです。糖尿病で注射をしているワンちゃんの場合は、低血糖にならないよう注意が必要です。
キャベツで嵩が増えることで、食事量が少なくなってしまうと、今までよりも摂取カロリーが減ります。摂取カロリーが減ったにも関わらず、インスリンを今までと同様に注射することで、低血糖を起こしてしまう恐れがあります。
インスリン注射をしている場合には、キャベツを食べさせることで、今までより食事量が減らないよう気をつけましょう。
ダイエットが必要な場合は、インスリンの量を調整することが重要となるため、かかりつけの先生に相談しながら行うようにしてください。
キャベツの成分自体に問題はなく、食物繊維が血糖値の急激な上昇を防ぐため、インスリン注射をしていないワンちゃんでは、血糖値コントロールに有効なこともあります。
心臓病
心臓病は、心臓の拡大が見られた場合にナトリウムの制限が必要となります。
トッピングにキャベツを与えてもナトリウムはほとんど含まれていないため、心臓病でも食べさせて構いません。
ただ、腎臓病と同様、食欲のないときは栄養が充分に摂れないことがあるため、キャベツよりも肉や魚などタンパク質やカロリーが摂れるものを優先して与えましょう。
まとめ
キャベツはカロリーが低く、食物繊維が豊富な食材です。
ワンちゃんの便の状態や食欲に合わせて適量を与えることで、ダイエットや便秘解消効果が期待できるでしょう。