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【獣医師】シニア犬におすすめのドッグフード5選!高齢犬の食事を解説

こんどうなつき

資格:獣医師/ペット栄養管理士

難病を抱えながらもベットに寝ながら働く獣医さん。酪農大学獣医学部卒業後、動物病院や保健所での勤務を経験。現在は、飼い主さんからペットの相談を受けるカウンセラーとして働きながら、Youtubeで犬猫のごはんと健康に関する情報を発信中!

そのうえで、「7歳を過ぎたらシニア用のフードに変えるべきですか?」と多くの飼い主さんから聞かれますが、答えはワンちゃんの体型や食の好み、体調など様々な要因によって異なります。

では、何を基準にシニア犬のフードを選べば良いのでしょうか?

今回は、シニア犬になったことでの体の変化、シニア犬のフードの選び方、おすすめのフード、ごはんを食べないときの対処法などをご紹介いたします。

この記事を読んでいただくことで、闇雲に7歳を過ぎたからシニア用フードを与えるのではなく、本当にうちの子に合うフードの選択ができるようになりますので、是非参考にしてみてください。

シニア犬の体の変化と食事

わんちゃんはシニア(7歳~)と呼ばれる年齢になってくると特に病気はなくても、加齢により体に様々な変化が出てきます。

食事と大きく関係するものについてみていきましょう。

 

体型の変化

年齢とともに、基礎代謝が落ちてくると体脂肪が増え、筋肉量は減ってきます。

シニア犬の1日に必要なエネルギー量は、若い頃に比べて30~40%程度減ると言われており、若い頃と変わらない量を食べていると肥満になってしまうことがあります。

しかし、すべてのワンちゃんが肥満になるとは限りません。

味覚や嗅覚など感覚の低下が起こったり、歯周病や胃腸の消化・吸収能力の低下が起こったりすることで食欲が落ち、痩せてしまうこともあります。

 

便の状態の変化

加齢に伴い、便の状態にも変化が現れることがあります。

喉の渇きを感じにくくなり、水分不足になったり、運動量が減ったりすることで、便秘になってしまうワンちゃんが多いです。

一方、胃腸の働きが低下することで、軟便・下痢になってしまう子もいます。

 

食の好みの変化

高齢になると食の好みが激しくなる傾向があります。

フードを変えると食べなくなってしまうこともあるので、無理にフードを変更するのはやめましょう。

 

シニア犬のフードの選び方

シニア犬のフードを選ぶときに順番に考えるべきことをお話します。

シニア期の体の変化に伴い、若い頃とは違ったものを与えた方が良いことがあります。

しかし、ワンちゃんによっては、今使っているフードを使い続けた方が良い場合もあります。

次の順番でフードを変更する必要があるかチェックしてみてください。

 

①今の体型を確認

現在、特に体型・健康状態に問題がないのであれば、無理にシニア用のフードに変える必要はありません。

特に好みが激しく、特定のフードしか食べないワンちゃんの場合には、なるべく変更しない方がワンちゃんも飼い主さんもストレスを感じずに済みます。

「年齢とともに何となく太ってきた」と感じたら、今のフードを1割減らすなど、量を調整してみましょう。

 

今のフードを使っていて、次のような問題が出てきた場合には、フードの変更を検討するのが良いでしょう

・太ってきたので量を減らしたら始終食べ物を欲しがるようになってしまった
・食が細くなり痩せてきた

 

なつき先生

シニア用のフードといえば、「低脂肪・低カロリー・食物繊維量多め」のものが多かったです。しかし、最近はシニアになると食事量が減ることも考慮して、カロリーや食物繊維が成犬用と同等に設計されたものも多いです。どちらにしても、ワンちゃんの体型に合わせて選ぶことが大切です。

 

②便の状態をチェック

シニア犬の特徴として加齢とともに便の状態が変化するとお伝えしました。

便秘や下痢などお腹の調子を崩しがちになった。

という場合には、食事の問題ではなくは病気の可能性もあるため、まずは動物病院で健康診断をしてみてください。

動物病院を受診し、とくに病気ではなかった場合はフード変更を検討します。

 

 

便秘の場合

食物繊維は腸の蠕動運動を促進させるのに有効なこともありますが、水分不足が原因であることが多く、必ずしも食物繊維量を増やすことが良いとは言えません。

痩せているワンちゃんでは、食物繊維の多過ぎる食事は、カロリーが充分に摂れなくなってしまうので避けるようにしてください。

食物繊維量について、具体的には、2~5%程度が良いと言われています。

 

軟便・下痢の場合

消化・吸収に負担の少ない動物性タンパク質を使用し、脂質を控えたフードがおすすめです。

やせているワンちゃんは、脂質は控えめにしながらも栄養不足にならないようグラム当たりのカロリーが高いフードを選びましょう。

 

なつき先生
何度も言いますが、よく食べて便の除隊が良く健康的であれば、歳をとったからと言ってフードを買える必要はありません!

 

シニア犬にあったフードの特徴

体型や便の状態など健康状態を確認し、問題がなければフードを変更する必要はないと思います。

何か気になることがあった場合の選択肢がフードの変更になります。

シニア犬向けのフードの特徴について説明していきます。

良質なタンパク質

植物性タンパク質に比べて動物性タンパク質は消化吸収がよく、便の状態が安定しやすくなるという特徴があります。

そのため、主原料が動物性たんぱく質のものを選ぶとよいでしょう。

 

低脂肪

脂質の多いフード消化不良の原因となります。

軟便・下痢になりがちというワンちゃんは低脂肪のフードを選びましょう。

脂質10%以下であれば、低脂肪と考えて良いでしょう。

 

カロリー

カロリーにも注意が必要です。

食欲がなくなってきたわんちゃんには高カロリーのフード

肥満気味のわんちゃんには低カロリーのフード

をあげるとよいでしょう

 

粒の大きさやかたさ

シニア犬になると噛む力が弱くなるので、いままで食べていたフードが食べづらくなる場合があります。

粒が小さく、やわらかいほうが高齢のわんちゃんにも食べやすくなるので、うちの子に合わせてフードのタイプを選んであげるとよいでしょう。

 

噛む力が弱くなってきた子には、ウェットフードやフレッシュフードを取り入れてあげるのもおすすめです。

ウェットフードやフレッシュフードは素材そのものの味や香り、食感で嗜好性が高く、食欲がないときでも食べてくれることが多いです。

また、食事で水分補給ができるので、高齢になってあまりお水を飲まなくなってしまった子でも無理なく水分を摂ることができおすすめです。

コチラの記事でウェットフードやフレッシュフードについてまとめているので是非参考にしてください。

参考【獣医が選ぶ】犬におすすめの手作りごはん-フレッシュフード-7選!

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シニア犬のお悩み別おすすめフード

うちの子にフードを選ぶときの基準が分かったところで、お悩み別におすすめのフードを紹介していきます。

シニア用のフードも一部取り上げていますが、必ずしも「シニア用」と書かれたものを選ぶ必要はなく、お腹の調子や体型、好みに合わせたものを選ぶことが大切です。

もちろん、ワンちゃんの体に合っていれば、シニア用も選択肢の一つだと思います。

シニア犬の健康に配慮して、抗酸化作用のある食材や関節のことを考えて、グルコサミンやコンドロイチン硫酸などを配合しているものもあります。

 

お腹の調子を整えたい場合

お腹の調子が気になるワンちゃん向けのフードです。

どれも乳酸菌配合で脂質控えめ、消化に優しいフードなので、ワンちゃんの好みに合わせて選んでみてください。

 

犬猫生活ドッグフードシニア用

商品画像、犬猫生活

原材料・栄養バランス・製造方法にかなりこだわっています。

肉(鶏・牛)・魚を主原料としており、タンパク質を効率よく吸収でき、消化にとても優しい設計となっています。

脂質も抑えられた低脂肪のフードで、乳酸菌やオリゴ糖も配合されているので、そうした点からも、お腹を壊しやすいワンちゃんにおすすめのフードです。

カロリー控えめなので、食が細い子の場合には、この後ご紹介するウェットフードと組み合わせて使うのもおすすめです。

公式サイトで詳細を見る

 

UMAKA

厳選された国産素材を使用し、産地がきちんと記載されているので、安心です。

高品質の食材を使用することで食いつきにもこだわったフードです。

脂質控えめで、ビフィズス菌とオリゴ糖を含んでいるので、消化に良いフードと言えるでしょう。

肉の使用を鶏に限定しているため、牛肉、豚肉など鶏以外の肉類にアレルギーがあるワンちゃんも安心です。

 

モグワン

モグワンは動物性タンパク源であるチキンの含有量が50%越えと高く、ビタミンやミネラルもバランス良く含まれており、犬に必要な栄養素としてはかなり理想形に近いです。

高タンパク低脂肪のため、食が細くなったシニア犬におすすめです。

 

肥満が気になる子にはこれ!

カロリーが控えめなので、肥満気味のワンちゃんにもあまり量を減らさず与えることができます。

 

犬猫生活ドッグフードシニア用

商品画像、犬猫生活

高タンパク、低脂肪のフードで、カロリー控えめなので、量を控え過ぎることなく、満足感を得ながらダイエットできます。

公式サイトで詳細を見る

ソルビダ室内飼育7歳以上用チキン

 

オーガニック素材にとことんこだわったフードです。チキンを主原料とし、動物性タンパク質を豊富に含むため、タンパク質の吸収率が高いと言えます。

皮膚の炎症を抑えると言われるオメガ6脂肪酸、オメガ3脂肪酸の含有率も高く、皮膚や被毛の状態が気になるワンちゃんにおすすめです。

 

 

まとめ

シニアのワンちゃんの食事は、加齢による変化に合わせて選択する必要があります。

一律にシニア用に切り替えるのではなく、体型やお腹の調子など個々のワンちゃんに合わせて選ぶことが大切です。

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資格:獣医師/ペット栄養管理士

難病を抱えながらもベットに寝ながら働く獣医さん。酪農大学獣医学部卒業後、動物病院や保健所での勤務を経験。現在は、飼い主さんからペットの相談を受けるカウンセラーとして働きながら、Youtubeで犬猫のごはんと健康に関する情報を発信中!

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