子犬を迎えたけれど、「離乳食はいつまで続ければよいのか?」「どれくらいの量をあげればよいか?」「どんなフードが良いのか?」など食事について悩んでしまうこともあるのではないでしょうか?
ここでは、子犬を迎えた飼い主さんからよくいただくご質問をもとに、子犬の食事について解説していきます。
この記事を最後まで読んでいただければ、子犬の食事に関する疑問がすっきり解決するはずです。
離乳食の与え方のポイントは?
お家に迎えるときに「ドライフードをふやかして与えてください」と言われることが多いと思いますが、「どのように」「いつまで」行えばよいのでしょうか?
まずは、「ふやかす方法」と「いつまで行えばよいのか」についてお話していきます。
そもそも何故ふやかす必要があるの?
子犬は食べるのがまだあまり上手ではないため、一気に食べてしまい、喉につまったり、吐いたりしてしまうことがあります。
そのため、食べ物を柔らかくして与える必要があります。
ドライフードをふやかす方法が一般的ですが、缶詰めタイプのものなど食べやすいもので栄養バランスが整っていれば、そちらを使用しても構いません。
ドライフードをふやかす方法
ドライフードをふやかす方法はいたって簡単です。
お湯で食べやすい硬さになるまで15分~30分程度ふやかします。
お湯の温度については、「30℃~40℃」とかかれていることが多く、温度計を片手に毎回計っている飼い主さんもいます。
あまりに高温だとビタミンが壊れてしまうため好ましくありませんが、毎回熱湯でなければ、そこまで神経質になる必要はありません。
冷水を推奨しているものも見かけますが、あまり冷たいとふやかすのに時間がかかりますし、消化不良になることもあります。
ふやかす温度は「お風呂の温度」くらいが良いでしょう。
さめるとなかなか柔らかくならないので、タッパーにフタをする、容器にラップをかけるなど熱を逃がさないようにすると良いと思います。
ふやかしたお湯には、栄養分が溶けだしているので、捨てずにそのまま与えましょう。
いつからいつまでふやかせばいいの?</h3>
子犬は生後6~8週齢くらいで離乳が完了すると言われています。
生後3~4週で乳歯が生え始めるので、そのタイミングで、離乳食を開始します。
その後、ワンちゃんの食べ方や便の状態を見ながら、徐々に水分量を減らしていき、3~4ヶ月頃にはふやかさずに与えることができるようになります。
いつまでふやかした方が良いかですが、個体差があるため、一概に何か月までとは言えませんが、次の2つに注目しながら、少しずつ水分量を減らしていくようにしてください。
①食べることに不都合が無い(一気に食べて吐く、苦しそうにするなどが見られない)
②便の状態が良い(軟便・下痢でない)
子犬の食事量はどれくらい与えれば良い?
成長期の子犬は、どんどん成長するので、食事量が足りないのではないかと心配される飼い主さんが多いです。
体重が増えていくのでどのように計算したら良いのか悩んでしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?
子犬の食事量について、基本の計算方法をみていきます。
ただし、計算量についてはあくまで目安量なので、うちの子にはどれくらい与えたら良いかを見極める方法についてもお伝えしていきますね。
子犬の食事量の計算方法
子犬が成犬の体重の半分になるのは、平均して4〜5ヶ月くらいと言われています。
成長が止まるのは、小型・中型犬で6〜12ヶ月、大型・超大型では12〜18ヶ月、超大型犬の中には24ヶ月頃まで成長が見られる子もいます。
成長期の子犬は成犬に比べ、カロリーを多く摂取する必要があります。
1日の摂取カロリー目安の計算方法は、安静時の必要カロリーにそれぞれ成長に合わせた係数をかけることで求めることができます。
【カロリー計算】
1日の摂取カロリー目安=安静時の必要カロリー×係数
【安静時の必要カロリー】
現在の体重(kg)×30+70
【係数】
~5ヶ月齢:2.5~3.0
5~8ヶ月齢:2.0~2.5
8~成犬:1.6~2.0
※避妊・去勢手術後、太ってしまう場合には、体型に応じて成犬の係数(1.0~1.6)をかけた値を使用します。
※本来は現在の体重ではなく理想体重で計算しますが、子犬の理想体重は難しいため現在の体重としています。
カロリー計算に関してはこちらの記事でも詳しく説明していますので是非参考にしてください。
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結局うちの子にはどれくらいあげればいいの?
まずは、先ほどの目安を与えますが、次の点に注意して調整していきます。
・排便に問題はないか?
・体重は減少していないか?
食事量が多過ぎる場合、消化できず、軟便・下痢になることがあります。
その場合には、食事量を1~2割程度減らします。
また、成長期にも関わらず、体重が減少しているようだと、食事量が不足していることが考えられます。その場合も、消化不良にならないよう1~2割ずつ増量します。体重に関しては、2~4週間ごとに測定していくのが良いと思います。
食事量を調整しても、改善しない場合には、食物アレルギーや寄生虫症、消化管疾患などが考えられますので、動物病院を受診しましょう。
子犬向けドッグフードの選び方
与え方と食事量が分かったところで、気になるのは食事内容ですよね。
子犬に必要な栄養素についてはもちろん、過度に与えてはいけない栄養素についても解説していきます。
おすすめのフードについてもご紹介していきますので、どんなフードをあげようかと悩んでいる方は、是非参考にしてみてください。
消化に良いタンパク質
子犬はタンパク質の要求量が高いものの、消化吸収能力が未熟なため、消化しやすいフードを与える必要があります。
タンパク質は、植物性タンパク質よりも動物性タンパク質の方がアミノ酸のバランスが良く、消化・吸収されやすくなっています。
フードを選ぶ際には、原材料表示の最初が肉・魚など、動物性タンパク質のものを選びましょう。
また、子犬は胃が小さいため、嵩が多くカロリーの低いフードを与えてしまうと、必要量を食べきれず、栄養不足に繋がります。食べきれたとしても、消化不良の原因になります。
繁殖期用、子犬用と記載のあるフードを選ぶようにしてください。
与え過ぎに注意すべき栄養素
「成長期は栄養が沢山必要」というイメージからこんなものを与えていませんか?
子犬は栄養の吸収に関して未発達な部分があるため、注意が必要です。
カルシウムのサプリメント、カルシウムの多いおやつ
「成長期だから骨の成長にカルシウム」と思って、カルシウムのサプリメントやカルシウム入りのおやつをあげていませんか?
子犬は、カルシウムやリンの調節機能が未熟なため、血中濃度に関係なく吸収されてしまい、カルシウムの過剰摂取となることがあります。
カルシウムの過剰摂取は、関節、軟骨が厚くなってしまって関節に痛みが出てしまう骨軟骨症などの病気の一因となります。
カルシウムの吸収を促進する、ビタミンAビタミンDの過剰摂取にも要注意です。
健康な子犬にサプリメントは不要です。栄養バランスが崩れる原因になるので、与えないようにしましょう。
※手作り食の場合には、ビタミン・ミネラルを補うサプリメントが必要なことがあります。専門家の指導のもと、適切に使用してください。
お肉をたっぷりトッピング
先ほど、成長期にタンパク質が必要なことはお伝えしましたが、摂り過ぎには注意が必要です。肉の大量摂取は、リンの過剰摂取に繋がります。
リンは、骨からカルシウムを放出させるため、骨の変形、骨折、疼痛が生じることがあります。
このように子犬の食事は栄養のバランスがとても大切です。
お肉も少量であれば構いませんが、肉ばかりの食事にならないように気を付けましょう。
総合栄養食を食べさせている場合には、トッピングは食事全体のカロリーの1~2割程度にしてください。
子犬におすすめのドッグフード
子犬には、繫殖期用・子犬用のフードを与えましょう。
ワンちゃんの好みは子犬の頃に食べたものに左右されると言われています。
ですので、主原料が肉のものと魚のものを両方与えるのが良いと思います。
また、ドライフード、ウェットフード両方食べさせておくことで、どちらの食感にも慣れさせることができます。
ただ、お腹の調子を崩しやすいワンちゃんは、短い期間でフードを替えてしまうと、腸内環境が乱れやすくなってしまいます。アレルギーの心配もあるので、色々な味や食感に慣れさせるには、以下のような方法がおすすめです。
①まずは、良く食べてくれて、便の調子が良いフードを選ぶ
②違う味、食感のフードを一口トッピングする
③体調に問題がないと確認できたフードを数週間ごとにローテーションする
ロイヤルカナン ミニインドアパピー
チキンを主原料とした栄養バランスの良いフードです。
ミニ インドア パピー - ドッグフード - ロイヤルカナン (royalcanin.com)
ヒルズ サイエンス・ダイエット 小型犬用 パピー
チキンとターキーを使用しています。子犬に必要な栄養素をしっかり摂ることができます。
ヒルズ サイエンス・ダイエット 小型犬用 パピー12ヶ月まで 妊娠・授乳期の母犬にも 子犬用 チキン (hills.co.jp)
フィッシュ4ドッグ パピー
子犬用としては、珍しい魚を使ったフードです。動物性タンパク質として、魚のみを使用し、不飽和脂肪酸を多く含むので、皮膚や被毛の状態が気になるワンちゃんにもおすすめです。
フィッシュ4ドッグ公式オンラインショップ パピー 小粒 1.5kg (shop-pro.jp)
ニュートロ シュプレモ ウェット 子犬用
ウェットフードのごはんも一つ選んでみました!
原材料にチキン、ラム、サーモン、ポークと複数の動物性タンパク質を含んでいます。食の幅を広げるのに最適です。
シュプレモ™ ウエット 子犬用 ┃ドッグフード┃Nutro™(ニュートロ)
まとめ
子犬の食事は消化・吸収をよくするために、与え方や給与量、フードの栄養バランスに気を付ける必要があります。
ふやかし方や目安量を参考にしながらも、体型や便の状態を見ながら、うちの子に合った方法で与えることが大切です。
バランスのとれた食事で、成長期をサポートしてあげたいですね。